はじめに
LifeKeeper for Linux v6 Update2 Release 3では、Oracle Recovery Kitがv6.3.1にアップデートされました。以前のバージョンに比べて、以下のようなリスナー保護の機能が拡張されています。
- リスナーリソースが定義可能となりました。
- 単一のOracleリソースで複数のリスナーを保護可能となりました。
- 複数のOracleリソースで単一のリスナーを保護可能となりました。
- リスナー障害をフェイルオーバーのトリガーとすることが可能となりました。
事前準備
・アップデートパッケージの取得
ログイン後、ユーザーサイトのDownload for Usersからダウンロードしてください。
前提
1つのOracle Databaseインスタンスがあり、またリスナーも監視対象として正しく動作しているものとします。
(Oracleリソースの起動と停止に合わせて、リスナーの起動と停止が行われる状態)
(例)
orcl:Oracleリソース
ip-172.31.5.100:IPリソース
oradata:ファイルシステムリソース
Oracle Recovery Kitのアップデート
稼動系
1. 保護対象のサービスを停止せずにLifeKeeperのみを停止 # /opt/LifeKeeper/bin/lkstop -f 2. 新しいパッケージのアップグレード # rpm -Uvh steeleye-lkORA-6.3.1-2.noarch.rpm 3. LifeKeeperの起動 # /opt/LifeKeeper/bin/lkstart 4. 動作確認 # /opt/LifeKeeper/bin/lcdstatus -q
待機系
上記1~4を実施します。
稼動系、待機系、どちらからアップデートしてもかまいません。運用上、都合のよいタイミングに合わせて実施してください。
パッケージのアップデートが完了しても、Oracle Recovery Kitはリスナープロセスに対してこれまでと同様の制御を行います。(逆にリスナープロセスに対して、これまでと同じ保護機能を提供するためにはこの階層を維持する必要があります。)
新しく加わったリスナープロセスに対する保護機能を使用する場合は、リスナープロセス用のリソースを別途作成する必要があります。
以下で変更手順の例を記載します。
アップデート後のリスナー専用リソースの作成
Oracle Database Listener」ライセンスキーの取得
SteelEye社のホームページのライセンスサイトから、Oracle Recovery Kit のAuthorization Codeを使用してライセンスキーを再取得します。Authorization Codeは既に購入済みのものを使用してください。リスナー用に新たに申請する必要はありません。
ライセンスキーはOracle DatabaseとOracle Database listenerと2つのライセンスキーがアカウント宛て(メールアドレス)に届きます。
ライセンスキーのインストール
lkkeyinsコマンドで「Oracle Database listener」のライセンスキーをインストールします。「Oracle Database」のライセンスキーは既にインストールされているため不要です。
ライセンスキーが正しくインストールされた場合は以下コマンド出力結果に「PERMANENT」と表示されます。
# /opt/LifeKeeper/bin/typ_list -l |grep listener databaselistenerPERMANENT
[注]LifeKeeperのGUIクライアント(lkGUIapp)が起動している場合、リソース作成前にGUIクライアントを再起動してください。
リスナーリソースの作成
Select Recovery Kitから「Oracle Database Listener」を選択します。
現状のリスナー設定に合わせてウィザードを設定していきます。それぞれの項目についてはAdministration Guideを参照してください。
Listener Configuration File Path: /u01/app/oracle/product/10.2.0/network/admin/listener.ora *使用するlistener.oraを指定 Listener Name(s):LISTENER *使用するリスナー名を指定 Listener Executables(s) *(例)/u01/app/oracle/product/10.2.0/bin *lsnrctlコマンドのパス Listener Protection Level: *Full,Intermediate,Minimalから選択 Listener Recovery Level: *Standard,(On) Optional,(Off)のどちらかを選択 リスナー障害をフェイルオーバーのトリガーにする場合は(On) IP Address Names(s): *リスナーがLISTENする仮想IPアドレスを選択 以降、稼動系でリソースを作成後、ウィザードにそって待機系に拡張設定します。
以下はリスナーリソースとして「LSNR.LISTENER」が作成された後のリソース階層です。
依存関係の設定
作成したリソースを既存のOracleリソースの下位に依存関係を設定します。
不要な依存関係の設定の解除
リスナーリソースの下位にIPリソースの依存関係が設定されています。Oracleリソース直下のIPリソースは不要となるため依存関係の解除をします。
(そのままでも問題はありませんが、階層を直感的するために実施することを推奨します。)
以上で完了です。
GUI上での状態確認、リソース停止・起動、切り替え等を確認を実施してください。
掲載日: 2008年6月9日
関連キーワード
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