■本機能の概要
LifeKeeper for Linux v7.3より、Oracle データベースのユーザ名/パスワードを利用したリソースの制御が可能になりました。
Oracle データベースの起動、停止には Oracle データベースにログインし、コマンドを発行する必要があります。
LifeKeeper v7.1 までは OS 認証によるログインを行っていましたが、v7.3 より SYSDBA 権限を持つユーザとしてデータベースにログインすることを選択できるようになりました。
この機能の追加に伴って、Oracle データベースリソース作成ウィザードに「データベースユーザ名」と「当該ユーザのパスワード」を入力する項目が追加されました。
データベースユーザ名には、SYSDBA 権限を持った Oracle データベースユーザを指定してください。
※データベースユーザ名を空欄にしたままウィザードを先に進めますと、v7.1以前と同様に OS 認証によりデータベースの制御を行う動作となります。
■データベースのログインコマンドについて
データベースの起動および停止、監視処理において実行されるコマンドが以下のように変更されます。
—————————————————-
A. ユーザ名を指定しない場合 (v7.1以前と共通)
$ sqlplus
> connect as sysdba
B. ユーザ名/パスワードを指定した場合 (v7.3以降)
$ sqlplus ${USERNAME}/${PASSWORD}@${SID} as sysdba
※ USERNAME = 設定したユーザ名
PASSWORD = 設定したパスワード
SID = 接続記述子
—————————————————-
■入力したパスワードについて
ウィザード画面にて入力されたパスワードは、暗号化した上で LifeKeeper 構成情報データベース (LCD) に保存しております。
■ユーザ名/パスワードを利用した制御を無効化する方法
以下の手順で、リソース作成時に設定したユーザ名/パスワードを無効化し、v7.1以前と同様の動作に戻すことができます。
1. LifeKeeper GUI 画面より Oracle データベースリソースを右クリックし、””Change Username/Password”” を選択します。
2. ユーザ名の入力を求めるウィザードが開きますので、入力欄を空欄にしたまま Next > をクリックします。
3. Done をクリックし、設定を完了します。
[color=””FF0000″”]※データベースユーザ名と当該ユーザのパスワードを変更する方法はアドミニストレーションガイドの””Change Username / Password for the Oracle Database Account””をご参照ください。[/color]
■既知の問題
ユーザ名/パスワードを利用したOracleデータベースの制御を有効にしている環境で、Oracle リスナーリソースまたは仮想 IP アドレスリソースに障害が発生した場合に、Oracle データベースリソースの停止処理に失敗することがあります。
LifeKeeper は Oracle データベースの停止を実施する際に、SQLPlus で Oracle データベースにログインしてシャットダウンを行うコマンドを実行します。
また、ユーザ名/パスワードを利用した制御では、SQLPlus を実行する際に SID を指定しているため、対応するリスナーを経由してデータベースへのログインを行う動作となり
ます。
このとき、仮想 IP アドレスリソースまたはリスナーリソースの障害により、リスナーに接続できない状態となっていた場合には Oracle データベースへログインできず、シャットダウンが行えません。
仮想 IP アドレスの障害時にも当該インスタンスに接続できるようにするなど、リスナーの構成を適切に行っていただくことで、本事象を回避することが可能です。
※なお、Oracle の設定について、弊社より具体的な設定例を提示することはできかねます。予めご了承ください。
<改定履歴>
[2011年9月22日 改定] [2012年3月12日 改定] [2013年3月18日 改定]